江川家は代々太郎左衛門を名乗り、韮山役所を本拠に江戸幕府代官職を世襲した。また、鉄砲方、勘定吟味役格海防掛も兼帯している。幕末期には、台場の設置、韮山反射炉の建設などでも知られる。明治維新時の代官江川英武は、韮山県の知事、ついで権知事に任命され、旧韮山代官所を県庁として事実上の代官支配を継続した。
江川家文書は総数約4万点に及ぶ膨大な文書群である。代官文書、支配各国の幕領関係文書、明治初期の韮山県・足柄県文書、江川家の家文書などによって構成される。当館では、幕府勘定書とのやりとりを中心とした代官文書を重点的に撮影・収集している。